毎年、玄関の前にいつの間にかクモが住み着く。
ここに住み始めた4年前から同じ種類のクモがやってくるので、代々続いている由緒正しいクモなのだと思う。うちのはお腹が膨らんだクモ、隣の部屋は細長いクモ、その向こうの部屋は足が長いクモと毎年メンツは決まっている。そして多分沢山産まれた子供の中から一番強いメスクモが各部屋一等地(蛍光灯の下)に住みつく。


毎年見ていると、クモにも性格というか性質みたいなものがあって面白い。最初の年に見たクモは、とにかく几帳面で毎日夕方になると前の日作った巣を自分で外し、またきっちりとした巣を張りなおしてた。その見事な仕事ぶりに(クモ嫌いなんだけど)ほれぼれ見とれてしまったものです。そしてその後は巣がよれっとなってきても気にせず中央に鎮座するひと、1週間に1度くらいしか出勤しないひと、ゆがんだ大雑把な巣をつくるひととか毎年色々な感じ。
今年きたひとは久しぶりにきっちりしたおばあちゃんの気質を引き継いで、まいにちせっせと新しい巣を作ってました。クモが巣を張っているところってほんとに凄い美しいのですよ。新しい糸はキラキラと光り、それを正しい位置に間違いなく結んでいく。足がたくさんあるのに絡まらなくてすごいなーと思う。


しかし、先日となりの部屋の住人が引っ越したタイミングで、何故かクモまでベランダ側に引っ越しをしたっぽい。引っ越し荷物にでもひっかけられちゃったのかな。たまに窓から巣を張っているのを見かける(そして最近は姿が見えない)。
玄関の前に住んでたのが良かったのになー。なんで移っちゃったんだろ。来年、彼女の子供はうちの玄関の前にやってきてくれるのかな。なんだかちょっとがっかりしている日々です。