ぽっぺん/石田千

ぽっぺん

ぽっぺん

わたしはトイカメラが好きなのですが、それはノスタルジックであったりドリーミィであったりする写りや、酔っ払ったときに見えている美しい世界とか悲しい気持の夜、などという情緒的な気持や気分がフィルムに現れるのがすきなのです。自分の表現を偶然に助けてもらっている感じ。
しかし、石田さんのように日々を丁寧に切り取る目線や文章力があればトイカメラなんていらないのです。そのくらい石田さんの綴る世界はキラキラしていて、ドリィーミィでノスタルジック、しかし確実に現実を写している。何気ない毎日はいとおしいものなのだということを気付かせてくれる本。他愛ないことしか書いてないのに、どんどん上手になるひとだな、と思いました。